Raspberry Piにヒートシンクは必要か?温度管理の重要性を探る
Raspberry Piは、小さなサイズで
ありながら高性能の機能を持っています。
高負荷のタスクを実行する場合、
動画録画、エンコード処理、
ゲームのエミュレーション、機械学習など、
CPUやGPUに負荷のかかる
アプリケーションを実行する場合、
システムは高い処理能力を必要とします。
しかし、これらの高負荷タスクを長時間実行すると、
Raspberry Piの温度は上昇し始めます。
この問題を解決するために
ヒートシンクを検討することがありますが、
果たしてそれは必要なのでしょうか?
この記事では、Raspberry Piの
ヒートシンクに焦点を当て、
その必要性とメリットについて探求します。
ヒートシンクは本当に必要なのか、
疑問を持っている方に向けて解明していきます。
温度上昇の問題
Raspberry Piの温度が上昇すると、
いくつかの問題が発生します。
①パフォーマンスの低下
②安定性の問題
③ハードウェアの寿命低下
①パフォーマンスの低下
高温状態では、CPUやGPUが
クロックダウンすることがあり、
パフォーマンスが低下する
可能性があります。
これは特に長時間の高負荷タスクで
顕著です。
②安定性の問題
高温状態では、
システムが不安定になりやすく、
クラッシュやフリーズが
発生することがあります。
③ハードウェアの寿命低下
長時間の高温状態は、
Raspberry Piに負担をかけ、
ハードウェアの寿命を
縮めていきます。
CPU温度を計測
ここでの実験条件は
・Raspberry Pi 4Bを使用
・外気温度:28度
この条件で計測しています。
CPU温度を計測するため、
CPU温度を1秒間隔で表示させる
コードを書いています。
Codeをコピーしてお使いください。
import time
def get_cpu_temperature():
# 温度情報をファイルから読み取る
with open('/sys/class/thermal/thermal_zone0/temp', 'r') as file:
temperature = float(file.read()) / 1000.0 # ミリセルシウスからセルシウスに変換
return temperature
def save_to_file(data, filename='cpu_temperature_log.csv'):
with open(filename, 'a') as file:
file.write(data + '\n')
if __name__ == "__main__":
try:
while True:
# 現在時刻を取得
current_time = time.strftime("%H:%M:%S")
cpu_temperature = get_cpu_temperature()
# データを文字列に整形
data_to_save = f"{current_time}, {cpu_temperature:.2f}"
# データをファイルに追加保存
save_to_file(data_to_save)
print(f"{current_time} - CPU温度: {cpu_temperature:.2f} ℃")
time.sleep(60) # 60秒ごとにデータを更新
except KeyboardInterrupt:
print("プログラムを終了します。")
ヒートシンクを使用しない場合
ヒートシンクをつけない状態で
温度変化を見てみます。
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/ラズパイ700.jpg)
ラズパイを起動した状態の温度
40度~49度を維持しています。
問題ありません。
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/Cpu温度Code実行40-crop.png)
openCVを使いwebカメラで常時録画
openCVを使いwebカメラで常時録画すると
どのように温度変化するかを見てみます。
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/Cpu温度Code実行70-crop.png)
温度は徐々に上昇していきます。
5分を超えてくると
70度を超える結果になりました。
70度を超えてくると、マウスカーソル動作が遅くなりました。
高負荷をかけた状態では、動作が不安定になることがわかります。
70度を超えてくると
①マウスカーソルの動作が遅くなる
②openCVで録画した動画は正常
ヒートシンクを使用した場合
ヒートシンクをつけた状態で
温度変化を見てみます。
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/ラズパイヒートシンク700.jpg)
ラズパイを起動した状態の温度
40度~49度を維持しています。
ヒートシンクをつけても変化ありません。
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/Cpu温度Code実行40-crop.png)
openCVを使いwebカメラで常時録画
openCVを使いwebカメラで常時録画すると
どのように温度変化するかを見てみます。
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/Cpu温度Code実行60-crop.png)
温度は徐々に上昇していきます。
5分を超えても
ヒートシンクをつけた状態では
65度付近でそれ以上の温度上昇はありません。
マウスカーソル動作など問題なく動作して
正常に動作しています。
ヒートシンクをつけると高負荷では動作が安定する
冷却ファン
冷却ファンをつけることによって
さらに安静性が保たれます。
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/ラズパイ冷却FAN700.jpg)
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ヒートシンクの役割
ヒートシンクは、これらの問題を軽減する役割を果たします。
ヒートシンクは熱を均等に分散し、周囲の空気に熱を放散することで、
CPUの温度を下げます。
これにより、Raspberry Piのパフォーマンスを維持し、安定性を向上させます。
また、ハードウェアの寿命を延ばすのに役立ちます。
ヒートシンクの選択と取り付け
適切なヒートシンクを選び、
正しく取り付けることが重要です。
ヒートシンクの選択には、
Raspberry Piのモデルや使用用途、
周囲の環境などを考慮する
必要があります。
取り付けは通常、
ヒートシンクをCPUやGPUに
貼り付けるタイプが多く出回っています
![](https://www.makigadget.com/wp-content/uploads/2023/11/ラズパイヒートシンクM2700.jpg)
ヒートシンクは、上の写真のように
4ケ所に取り付けることが
推奨されています。
まとめ
高負荷を与えた時の温度上昇は、
Raspberry Piの性能と安定性に影響を与える可能性があるため、
ヒートシンクの使用は重要です。
ヒートシンクを使用することで、システムの温度を適切に管理し、
高負荷のタスクを長時間実行する際に安定性を確保できます。
ヒートシンクは、Raspberry Piの性能を最大限に引き出し、
ハードウェアの寿命を延ばすため重要な役割があります。
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