【完全ガイド】Raspberry Pi OS 12で起動時に解像度を1920×1080に固定する方法|4Kモニタ対応の設定手順
Raspberry Piで、解像度1920×1080(1080p)に最適化した
ブラウザベースの管理画面を作成しました。
ところが、実際に使用するモニターが4Kや2Kの高解像度になると、
画面表示が縮小され、文字が極端に小さく読みづらくなるといった問題が発生します。
こうした場合、
解像度を毎回手動で変更するのは非常に手間です。
そこで本記事では、
Raspberry Pi OS 12(Bookworm)で起動時から解像度を1080p(1920×1080)に
固定する方法を、わかりやすく解説します。
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起動後に画面が4K表示になってしまう?解像度1920×1080を確実に指定する2つの方法とその対策!
モニターが「高い解像度を使ってほしい」と伝えてくる
Raspberry PiとモニターをHDMIでつなぐと、
モニターは「この解像度で映してほしい」という情報を自動でRaspberry Piに送ります。
この情報は「EDID(イーディーディーアイ)」と呼ばれ、
たとえばモニターが4K対応だと、「できれば4Kで表示してね」と伝えてきます。
そのため、Raspberry Piの config.txt に
「1920×1080で表示してほしい」と書いてあっても、
モニターの希望(4Kなど)が優先されてしまい、
設定が無視されることがあるのです。
/boot/firmware/cmdline.txt に video= を追加する
config.txtの設定が無視される場合は、
起動コマンドに強制的に解像度を指定する方法が有効です。
以下のコマンドで設定ファイルを編集します
video=を /boot/firmware/cmdline.txt に追加します。
【cmdline.txtを編集するコマンド】
sudo nano /boot/firmware/cmdline.txt
実行すると、以下の通り長く

行は1行しかないので、
末尾に半角スペースで追加してください
video=HDMI-A-1:1920x1080@60D
以下の通り、末尾に追加して保存します。
再起動します。
sudo reboot
現在の解像度を確認するには?
ターミナルで以下を入力して現在の解像度を確認します。
【解像度確認コマンド】
xrandr
表示に 1920×1080 60.00* とあれば設定成功です。
HDMIポートの注意点
Raspberry Pi 4 / 5 にはHDMIが2ポートあり、
video=で指定するポートを間違えると設定が反映されません。
モニタを挿しているポート | 指定する値 |
HDMI-0(左側) | HDMI-A-1 |
HDMI-1(右側) | HDMI-A-2 |
モニタが HDMI-0 に挿さっていれば → HDMI-A-1
モニタが HDMI-1 に挿さっていれば → HDMI-A-2
video= に指定するポートを確認して合わます。
video=HDMI-A-2:1920x1080@60D
HDMIが2ポートあるため、
確認してHDMIケーブルをHDMI1に差し込みます。
HDMIが2ポートある → 指定が1番に効かないことも
Raspberry Pi 4/5にはHDMIが 2ポート あります。
そのため、HDMI-A-1 と HDMI-A-2 の どちらに挿しているかが影響します。
【通常の変更方法】config.txt に解像度を指定する
Raspberry Pi OS は、起動時に /boot/config.txt の内容を読み込んで、
画面の解像度や出力方式を設定します。
通常は、この config.txt にフルHD(1920×1080)を指定する方法で行います。
◆ 設定手順
① ターミナルを開いて、config.txt を編集します。
sudo nano /boot/config.txt
② ファイルの末尾に、以下のようなHDMI設定を追記します。
これはモニターで「1920×1080表示を強制」するための設定です。
config.txt で使う HDMI 関連設定の一覧とその意味を
表形式で分かりやすく整理しています。
【HDMI設定項目一覧】
設定項目 | 意味 | よく使う値例 |
---|---|---|
hdmi_force_hotplug |
HDMIが接続されていなくても、HDMI出力を強制する | 1 = 強制出力(推奨) |
hdmi_group |
解像度やリフレッシュレートの設定グループを選択 | 1 = CEA(テレビ向け)2 = DMT(PCモニタ向け) |
hdmi_mode |
hdmi_group で選んだグループ内の解像度とリフレッシュレートを選択 |
82 = 1920×1080 @ 60Hz(CEA)16 = 1024×768 @ 60Hz(DMT)など |
hdmi_drive |
HDMI出力に音声を含めるかどうかを設定 | 1 = DVIモード(映像のみ)2 = HDMIモード(音声付き) |
disable_overscan |
画面の黒いフチ(オーバースキャン)を無効化 | 1 = 無効にする(全画面表示) |
hdmi_ignore_edid |
モニタからのEDID情報を無視する(特殊用途) | 0xa5000080 (無視して強制設定) |
hdmi_safe |
安全な表示設定(低解像度)で強制起動(トラブルシュート用) | 1 = 有効(表示できないときの応急処置) |
hdmi_force_edid_audio |
音声出力を必ずHDMIから行う | 1 = HDMI音声強制出力 |
【解像度(hdmi_group / mode対応表)】
解像度 | リフレッシュレート | hdmi_group |
hdmi_mode |
備考 |
---|---|---|---|---|
1920×1080 | 60Hz | 2 (DMT) | 82 | 一般的なフルHD PCモニタ設定 |
1280×720 | 60Hz | 1 (CEA) | 4 | HD表示 |
1024×768 | 60Hz | 2 (DMT) | 16 | 古いXGAモニタ用 |
3840×2160 | 30Hz | 1 (CEA) | 95 | 4K表示(ただし30Hz) |
設定例(フルHDモニター)
ファイル内の [all] のすぐ下に、
次の4行を追記します。
hdmi_force_hotplug=1
hdmi_group=2
hdmi_mode=82
hdmi_drive=2
DMT グループ(PCモニター向け)
モード 82(1920×1080 @ 60Hz)
に相当します。
hdmi_group / hdmi_mode の意味
まず基本を確認します。
設定 | 意味 |
---|---|
hdmi_group=1 |
CEA(主にテレビ向け) |
hdmi_group=2 |
DMT(主にモニター向け) |
hdmi_mode=16 |
CEA の 1080p @ 60Hz(=1920×1080) |
解像度確認方法
ターミナルで以下のコマンドを入力します。
xrandr
現在の出力解像度が表示されます。
たとえば以下のように出ていれば成功です。
HDMI-1 connected 1920x1080+0+0 ...
まとめ
Raspberry Piで解像度1920×1080を確実に指定するコツ
Raspberry Piでは、起動時に自動的にモニタの情報(EDID)を読み取り、
最適な解像度を決定します。
しかし、4Kモニタなどが接続されていると、意図しない高解像度になってしまい、
文字が小さく読みにくくなることがあります。
その対策として、まずは /boot/config.txt に
hdmi_group や hdmi_mode を記述して解像度を明示的に指定しましょう。
それでも設定が無視される場合は、
/boot/firmware/cmdline.txt に video=HDMI-A-1:1920×1080@60D
のような強制的な指定を追加することで解決できます。
モニター環境が変わっても、
毎回手動で解像度を設定する手間が省けるようになるので、
自分で作った管理版、映像表示など運用がとても快適になります。
ぜひ、自分の用途に合わせて正しい解像度設定を行ってみてください!