【Raspberry Pi 5実機レビュー】驚異的な性能と発熱の問題、最適な冷却対策も解説

2023年9月28日に発表されたRaspberry Pi 5は、
従来のRaspberry Piシリーズから大幅な進化を遂げました。
この記事では、Raspberry Pi 4Bと比較しながら、
その実際の使い心地、パフォーマンス、発熱問題、
そして最適な発熱対策について感想を書いています。
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Raspberry Pi 5を使ってみた感想
「Raspberry Pi 4B」から「Raspberry Pi 5」にアップグレードしてみた感想です。
まず驚いたのは、ウェブ検索やYouTUBE、動画再生などの
動作はスムーズに動き快適になりました。
特に、複数の作業を同時に行っても動作がスムーズになり速度に
ストレスを感じることが少なくなりました。
その反面、CPU温度上昇が従来よりも温度上昇が激しく、
「Raspberry Pi 4B」に使っていたのヒートシンクを貼っただけでは
冷却が追いつかず、80度を超え動作が急激に遅くなり、
大型ヒートシンクと冷却ファンが必要と感じました。
Raspberry Pi 5のパフォーマンス

1. Raspberry Pi 5の主なスペック
Raspberry Pi 5のスペックは次のように強化されています。
- SoC: Broadcom BCM2712(クアッドコア 64ビット Arm Cortex-A76)
- GPU: Broadcom VideoCore VII
- メモリ: 4GBモデルと8GBモデル
- ストレージ: MicroSDカード(アクセス速度2倍)
- USBポート: 2x USB 3.0、2x USB 2.0
- ネットワーク: ギガビットイーサネット
- ディスプレイ出力: 2x 4Kp60対応
BCM2712プロセッサの採用により、
Raspberry Pi 4Bと比較して2~3倍の高速化が実現されており、
GPUの性能も2~3倍に向上しています。
2. 実際の使用感:Raspberry Pi 5のパフォーマンス
Raspberry Pi 5を実際に使ってみたところ、
- ウェブブラウジングのスムーズさ: 重いサイトでも滑らかに表示され、複数タブを開いてももたつきが少ない。
- プログラム作成とデバッグ: Pythonで重いプログラムを作成してのデバッグ作業が軽快。
このように、従来のRaspberry Pi 4Bでは感じたパフォーマンス不足を
Raspberry Pi 5は解消してくれました。
特にCPU性能の向上が、全体の処理速度に大きく貢献しています。
3. 気になる点:温度上昇と発熱問題
Raspberry Pi 5の強力な性能の裏に潜む課題が発熱です。
従来のRaspberry Pi 4Bで使っていたヒートシンクのみでは、
負荷のかかる作業中に温度が80℃以上に達することが多く、
サーマルスロットリングが発生しました。
この結果、パフォーマンスが低下し、動作が不安定になりました。
マウスカーソルがぎこちなく動きはじめ、クリックしても動作しなかったり
安定性に影響が出ます。
実際に私が確認したケースでは、特に以下の条件で温度上昇が顕著でした。
- 高負荷なプログラム実行中: AIや画像処理プログラムの実行
- 複数のウインドウでの同時処理
- 複数のタブでのウェブブラウジング
4. 発熱対策:効果的な冷却方法
Raspberry Pi 5のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、
冷却対策が重要です。
- 大型ヒートシンクの導入: 標準のヒートシンクでは熱を十分に放散できないため、大型のヒートシンクを追加すること。
- ファンの併用:ヒートシンクだけでは限界があるため、冷却ファンの導入が必須です。Raspberry Pi 5専用のファン付きケースを利用することで、温度管理を改善できます。
大型ヒートシンクとファンで冷却対策

Raspberry Pi 5には、冷却用の専用ファンコネクターが標準で備わっており、
ファンの取り付けが簡単になっています。
別売りの純正アクティブクーラー「Raspberry Pi Active Cooler」が用意されています。
今回、Amazonで購入した、
ファン付き大型ヒートシンクのアクティブクーラーを用意しました。
アクティブクーラー

入っているもの
- 大型ヒートシンク
- 専用ファン(Raspberry Pi 5用)
- L型レンチ
- 熱伝導シート(ヒートシンク用)
ヒートシンクの取付
Raspberry Pi 5のCPUや他の熱源となるパーツに大型ヒートシンクを取り付けます。
ヒートシンクを固定する前に、熱伝導シートを貼り付け、
熱を効率的に伝えるようにします。

ヒートシンクは、Raspberry Pi 5専用に設計されたアルミニウム合金製で、
熱伝導に優れています。
発熱する部品の接触するように窪みがあります。
しっかりと固定して熱を効果的に放散できるようにします。
ファンの取り付け

ファンは、4ピンPWM制御冷却ファン(サイズ:30X30X07mm)で、
回転数を制御します。
Raspberry Pi 5には専用のファンコネクターが用意されているため配線が簡単です。
ファンをヒートシンクの上に取り付け、付属のビスで固定します。
ファンのケーブルをRaspberry Pi 5のファンコネクターに差し込みます。
専用コネクターに接続することで、自動的に温度に応じたファンの制御が行われます。
動作確認
ファンとヒートシンクを取り付けた後、ラズパイを起動して動作確認を行います。
温度監視コマンド(vcgencmd measure_temp
)などを使用して、
システム温度をモニタリングし、ファンが適切に動作しているか確認します。
効果
この冷却対策により、Raspberry Pi 5の温度が安定し、
高負荷や長時間の動作でも80度を超えずに快適に使用できるようになりました。
また、過熱によるパフォーマンス低下や不安定になることもなくなりました。
冷却対策を行うことで、Raspberry Pi 5のポテンシャルを最大限に活用し、
安心してプログラム作成やデバッグ作業を行うことができます。
5. まとめ
Raspberry Pi 5は、その強力なCPUとGPUにより、
Raspberry Pi 4Bを大きく凌ぐパフォーマンスを実現しています。
特に、負荷の高いプログラムの動作確認やマルチメディア処理でその実力を発揮し、
作業効率が格段に向上しました。
ただし、発熱問題には注意が必要です。
ヒートシンクやファンを使用するなどの適切な冷却対策を講じることで、
ステムの安定性とパフォーマンスを維持することができます。
Raspberry Pi 5の導入を検討している方は、
パフォーマンスの向上だけでなく、冷却対策にも力を入れることで、
快適な開発環境を手に入ましょう。
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